過去ログ - 上条恭介「キミの笑顔が好きだった」
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11: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:36:42.14 ID:SJta8h95o
屋上には、僕の両親に、担当医師、数名の看護師さんがいた。
腕が治ったからと言って、僕に『それ』を渡してくれた。
これだ。僕が、ずっと欲してやまなかったもの。
彼女の笑顔を見る為に、必要不可欠なもの。
ヴァイオリンだ。
もう演奏出来ないと宣告されてからは、見るのも嫌になっていたけれど。
何度か深呼吸をして、そして意を決して僕はヴァイオリンを演奏し始める。
ああ、そうだ。これだ。この音色だ。
ふと、僕の隣に立っている彼女の顔を見てみる。
そこには、僕の好きな笑顔があった。
目を閉じて、わずかに微笑んでいる。
これからも、この笑顔を見る事が出来るんだ。
それが僕には何より嬉しかった。
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