13: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:02:28.20 ID:cQFsek9Mo
「取り敢えず置いとこう。この話は何だか胸が痛いや。それでどうだい? アイドルに興味はないかい。」
「えっと、それは……。」
14: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:04:05.24 ID:cQFsek9Mo
「私なんかじゃ、きっと届かないと思います。」
「いや、届くさ。君なら問題はない。黒髪が綺麗だ。スポットライトに映える。
透き通った声をしている。舞台上で美しく響く。物腰が柔らかだ。皆に癒しを与えられる。
15: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:05:46.18 ID:cQFsek9Mo
「でもレッスンだって、無償という訳ではないでしょう。」
「痛いとこつくなぁ。本当なら全額事務所で持つと言いたい所なんだけど。
うちの所だと頑張って七割負担が精一杯だ。それなら実際に払って貰うのは月々三万といった所か。」
16: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:07:29.86 ID:cQFsek9Mo
不意に強い風が吹いた。風のざわめきに小鳥たちが囀りを始める。
木々が揺れ、新緑鮮やかな葉が数枚ひらひらと舞う。
優雅に、淀みなく、たおやかに。
するりと葉先が水面につくと、お辞儀をするかのように静かに倒れ、川の流れに乗っていった。
17: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:08:35.39 ID:cQFsek9Mo
電子音が辺りに響く。どうやら彼の携帯電話らしく男は席を外す。
流れ出るメロディーはNever say never。トライアドプリムスの一人、渋谷凛の曲だ。
アイドルになるのは一種の賭けだと男は言った。
18: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:11:31.81 ID:cQFsek9Mo
「途中で外しちゃって悪かったね。」
「いえ、大丈夫です。」
19: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:13:22.77 ID:cQFsek9Mo
それじゃあ、東京で会えることを楽しみにしているよ。
そう言い残して男は去って行く。彼の言う通りこれもきっと何かの縁なのだろう。
陶芸家を継げと、おじいちゃんは日頃から言う。
20: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 23:14:42.52 ID:cQFsek9Mo
終わりです
次はもっと良いのが書けるように肇ちゃんをペロペロしてきます
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/10(水) 23:41:08.75 ID:kcofdLKYo
スレタイが人を惹かないのかねえ
22: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/11(木) 00:45:04.19 ID:DekSmSKQo
次のスレタイはもうちょい考えなきゃならんかもね
訂正
>>6
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/11(木) 00:53:50.78 ID:NqkpPeH5o
おっつおっつ
なんだ、読みやすいしいいもんじゃないか
27Res/17.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。