過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part4
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◆cAx53OjAIrfz
[saga sage]
2013/07/12(金) 01:53:15.57 ID:9UNM1y4B0
遠征帰りの街宣のごとく、黒塗りのベンツに向けてオッサンオバサン、少年少女の歓声奇声が飛び交う。
その中、Пは少し離れた公園で無言でコーラのグミを咀嚼し、空を見上げていた。
隣では、茄子が公園の購買で売っていたバニラアイスに、笑顔で齧り付き、咀嚼していた。
П「来たか」
茄子「来ましたねぇ」
事もなさげに空に映る小さな点が徐々に大きく、更に大きくなっている。
それに気付いたビルの上に居た人間が3人、すっ転んで頭を打ち、熱く焼けたコンクリートに倒れこんで気絶した。
次に外周パレードのように理路整然と並んでいた中に、ポツリポツリと倒れる数人の人間、恐らく熱中症だろう。
П「後『能力者』は何人だと思う?」
茄子「もう居ないと思いたいですねぇ」
П「……居ないさ、多分な」
アイスクリームを事もなさげに食べ終え、手を叩き鞄の中からナフキンで拭いた頃。
遠くから動物のような、低い声が微かに聞こえ、ゆっくり走っていた黒塗りのベンツのエンジンに、深々と泥のような色をした槍状の固形物が刺さり、動作を停止した。
歓声は悲鳴に、奇声は怒号、笑顔は叫び声に変わり、民衆はてんやわんやの中、出口を求め『黒塗りのベンツ』から散り散りに離れてゆく。
茄子「流石に大きいですねぇ、アレ」
П「頃合いかね」
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