過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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127:退廃バカンス(お題:バカンス) 2/3[saga sage]
2013/07/25(木) 19:27:36.10 ID:s0r+pJoT0

真っ暗でもなく、大都会のように明るくもない。そんな夜道を重い足取りでのそのそと進んでいく
「…腹減ったな」
近くの24時間スーパーに寄って、食料を調達する。といっても、カップ麺や、おつまみ、酒がメインだ
入社したての頃は、これから自分で何でもできなくてはだめだという意気込みで
必死に自炊しようとして…本まで買った。一カ月もしないうちに挫折してしまったが
「…あ、すいません。割り箸は二膳お願いします」
「かしこまりました」
もちろん、一緒に食べる人はいない。割り箸を使えば洗い物が減って楽だ。それだけのために店員の手を煩わせる
「1360円になります」
自炊してた頃は、これが高いって思ってたな。今はそれを思い出すと虚しい
「現在キャンペーンをやっておりまして、1000円以上お買い上げの方には、福引券を差し上げております」
「あ、はい」
「まだ抽選やってると思うので、行ってみてください。郵便局の裏にあるビルの前でやってます」
どうせ、当たらないのは分かっていた…が、なんとなく行ってみてもいい気分、というより少し日常に刺激が欲しい。そんな気分だったからか
券を袋に入れスーパーから出て、帰り道と正反対の方向、つまりいつもの通勤の道のりを歩き始めた


郵便局の裏の、高層マンション前 最近建ったマンションで、その入居キャンペーンで福引をやっているようだ
こんな遅くまでお疲れ様と自分に言い聞かせるように頭の中でつぶやく
「すいません、これお願いします」
「一枚ですね。では、回してください」
福引によくあるガラガラを回す。ガラガラガラガラ…玉の音がよく響いて、周りの目を引いた
無性に恥ずかしくなり、一瞬ここに来たことを後悔した。が、次の瞬間金色に輝く玉が、台に転がり落ちた
「お、おめでとうございます!!大当たりです!!!」
キャンペーンガールの女性は興奮のあまりベルを握りしめて鳴ら…さなかった
もう夜遅い上にここは住宅街ということに気がついたのか、彼女は顔を赤らめた後、ベルを机に置き直した
「と、特賞は、二泊三日のハワイ旅行の旅です!」


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