過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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736:道祖神のお導き(お題:鏖)2/11[saga]
2013/10/13(日) 08:37:45.98 ID:t/0x6c1+o
 田舎の村ほど、外部の人間に敏感なものである。人口も少ないから、見知らぬ小僧がやって来て村中をうろつこ
うものならすぐに注目されることだろう。その上で盗みを働いて、無事で済むはずが無い。間違いなく捕まるし、
幕府から遠くはなれるほど村役人が横暴で、裁判なんてろくにしないから、問答無用に殺されてもおかしくない、
ということを庄助は知っている。要は親方は「村にいちゃもんをつけやすくする為に殺されてこい」と言ったので
ある。山賊といえども、今時は何の前触れも無く突然村を襲撃することはない。争いのリスクを避けるためになん
らかの因縁を付けるのが普通である。大方「よくもまあウチのかわいい子分を痛めつけてくれたじゃねえか落とし
前つけやがれ」という感じだろう。
 そして今回は庄助に白羽の矢が立ってしまったわけである。親方がこれまで庄助を養って来たのは、もちろん慈
善行為ではない。こんな時に使い勝手の良い鉄砲玉として使うためなのだ。事実、親方に命令され、分不相応に大
きい刀を渡された時、仲間の誰もが庄助の最期を連想したことだろうが、誰一人として同情する様子を見せなかっ
た。むしろ冷ややかな、「穀潰しがいなくなって清々した」とでも言わんばかりのーー




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