過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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776:島本さんが分からない(お題:折り畳みかさ) 2/6  ◆/xGGSe0F/E[sage]
2013/10/21(月) 01:55:37.57 ID:NnV1TwCv0
 なんとなくふわっと、何とかなるでしょうとか、別に本気じゃないけれど、何となく雰囲気で将来の自分のイメージを思い描いているだとか、そ
んな程度の幼稚な奴らが集まってるだけなんだ。いや、中には相当にまともな奴だって、いるにはいるんんだよ。それは知ってる。僕の友達の杉井
なんて、プログラマーになるために、なんだかよく分からないスペシャリストの資格を取って、昨日のホームルームで表彰されてたし、もう行くべ
き専門学校も決めてあるし、隣のクラスの真崎なんかは、美容師になりたいとか言ってたから、まあとりあえずは将来の姿はおぼろげながら描けて
いるわけだ。でもさ、そんなに本気で目指しているものがあるなら、なんで専門的な事を学ぶわけでもない私立高等学校、普通科、特別進学コース
に通っているんだ、って時々思うわけなんだよ。まったくの言いがかりみたいな言葉で申し訳ないけれどね。とにかく僕が文句を付けたいのは、杉
井や真崎と言った連中じゃなくて、自分のやりたいことがあるなら、なぜ高校に通わなければならないのか? その風潮に対して僕は文句をつけ
ているわけだよ。この数学の授業中の、小日向先生のストッキングを見つめながらで申し訳ないけどさ。いや、文句を付けたいのはそれだけでは
ない。高校だけじゃないんだ。むしろ大学にしたってそうさ。大学入試を受ける奴らの中で、本気で研究者の道に進もうなんて奴は、賭けたって
いいけれど、1パーセントにも満たないだろう。ただ就職へのパスを得るため、何となく決められない自分の将来への猶予期間をそこで過ごすた
めに、別に仕事なんかしたくないから、親から言い逃れするための免罪符を得るために、入学をするだけなんだ。新しい自分を探すとかなんとか
ふわふわしたこと言って、サークル活動ばっかりに精を出して、人脈とか言って特に目的もなくいろんな人に話しかけまくって、碌に勉強もしな
いで親の金で大学の4年間を過ごしたり、恐らくさ、そういう人ばかりだと思うんだよね。僕もそうなるだろうし、まあそれはそれでしょうがな
いと思うんだよ。僕が考えるには、現在の大学のシステムって言うのはさ、(もともとそうなのかもしれないけれど)大学の研究者たちの研究資
金を集めるために、巧妙に築かれたシステムだと思うんだ。特に目的もなく過ごすであろう大学受験生と言うカモを釣ってお金を得て、それで一
応その対価として研究者たちが学んだ事の一部をとても分かりやすく馬鹿でもわかるような感じで入学者たちに教えて、そんでちゃんと4年間ち
ゃんと座って聞けた子たちには、それぞれの企業へのパスをプレゼントするよ(最近はその当選率が少ないけれどね、就職するには抽選で何名様
のプレゼントに当たるくらいの運が必要らしいんだ)てなシステムだと思う。大学側だってそれぞれの専門を研究して論文を発表するため(本来
大学ってそう言う場所だと思うんだ。もちろん専門知識を学ぶ場でもあるんだけれどさ)、或いは学会で地位を得たり、何かを研究、実験するた
めには莫大なお金がかかるし、そのためには多くの学生から入学金と言う形で費用を得なきゃいけない。だから対価としてお金を払って入学すれ
ば知識を提供するよ。就職先も提供してあげるよ。簡単に言うと、大学って言うのはこういう場所だと思う。だって本当に、真面目に学問を研究
するために大学行く人だけを集めたら、それこそ毎年数十人くらいしか入学者がいなくなっちゃうもん。その点、僕らみたいな無目的で流動的で、
無知で、能天気で、とりあえず学校の勉学だけはなんとかできるよって学生は、大学にとってはいいカモなんだろうね。思えばこのシステムは、
高校にだって通用する。高校だって、別にこんなに皆が高等勉学を学ぶようになったのは最近の話で、僕たちなんかは特に学ぼうと思って入学し
ているわけではないのだ。でもなんだか雰囲気的に入学しなくちゃいけないから、入学する。それに味を占めたそれぞれ私立学校なんかは、自ら
の高校のいいところをアピールするわけだけれど、しょせん金集めのカモを引き寄せる行為でしかないんだよ。本気で高等勉学を学びたい奴なん
て数えるほどしかいないさ。でも高校には入学しないと生きていけない雰囲気がある。社会から零れ落ちる雰囲気が漂っている。だから僕らは仕
方なく高等勉学を学ぶ。僕らもうんざり。教える教師たちもうんざり。でも金は動いていく。そんなシステム。でもさ、そういう僕らみたいな、
現代のいろいろな選択肢を与えられすぎて逆に身動きが取れなくなりそうな若者、皆と同じように雰囲気で自分の未来を決めてしまいがちな若者
がさ、そんなふわふわしてるけど幸せに生きてるやつらみたいな者が大勢いないと、やっぱり駄目なんだろうね。だって社会を支えるのは、研究
者じゃなくて、こういう何となくで生きている奴らなんだもの。そういう人がたくさんサラリーマンやら、作業者になって、生活を作っていくわ
けなんだろう。スペシャリストがいっぱいいても仕方がない。手足がしっかり動くからこそ、脳は発達していく、なんて言う例えはおかしいかも
しれないけれど。まあ、その点で言えば、この教育システムは理に適っていると言うか、自然にそうなっていったのかは知らない。僕みたいな馬
鹿な奴でもなんとか落ちこぼれずに大学に行けて、そんで将来は僕でもできるような仕事をしながら、ぎりぎりで生きていくのだろう。そう考え
ると嬉しくて涙が出ちゃう。この国って言うのは、案外僕らを守ってくれているのだろうね。


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