過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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795: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/04/21(月) 20:36:19.56 ID:TY0tlMqOo
深く狭いところに、自分の意識が潜っていくイメージが浮かんだ。
現実ではない。
あくまで、イメージに過ぎない。
ぶ厚く、太く、鈍く、暑く、狭く、息苦しくなっていく。
時間がいつもと違う速さで進んでいるように思えた。
実際には、時間の進む速度が変わることなど有り得ないはずだが。
ミュウツー(精神の在り方によって時間を体感する速度が変わる……とか)
ミュウツー(あるいは……『自分』という存在の外側と内側で、認識のされ方が異なる)
ミュウツー(……と、いうことなのだろうか)
そういうことならば、“いかにもありそう”だった。
ミュウツー(……まさか、な)
ミュウツー(時間の流れの速さが“不変ではない”、ということもないだろう)
ミュウツー(……それにしても……妙なものだ)
自分の記憶を辿ることが、今はそれほど嫌だと思わない。
考えてみれば、それはそれで新鮮な気分だった。
自分にとって『思い出す』という行動は、行為そのものが不快だったはずだ。
不愉快な感想を伴うもの。
いやな気分になるもの。
何かに対する、強い怒り。
誰かに対する、深い憎しみ。
付随して湧き上がる感情が、そうした忌まわしいものばかりだったからに他ならない。
だから、思い出したくなどなかった。
少なくとも、これまでは。
にも関わらず、今はこうして、さして苦痛を覚えることもなく振り返っている。
同時に、胸のそわそわするような、慣れない感情が渦巻いている。
いや、慣れないというだけで、決して知らない“うねり”ではない。
わからない、知らないと言いながらも、やはり知っている。
理屈ではない、自分の中の名を持たぬ部分がそれを主張していた。
その主張には信憑性を感じる。
これも、残念ながら根拠があるわけではない。
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