過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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827: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/05/01(木) 23:59:14.28 ID:832ifbPFo
ミュウツー『私は……まだ私自身が、自分の意思で学ぶことを始めたばかりだ』
ミュウツー『以前から知っていたことを除けば、知らないことも、わからないことも多い』
ミュウツー『わからないところは、わからないと言う以外にない』
アロエ「キミは、そう思えるんだね?」
ミュウツー『……ち、違うのか?』
ミュウツーの言葉を聞き、アロエは嬉しそうに首を横に振った。
ある意味、彼女にとっては期待通りの反応だった。
アロエ「ううん、違わない」
アロエ「その素直さは、とても大切なことだよ」
アロエ「けど、大切だからこそ、いとも簡単に失われてしまう」
ミュウツー『なぜ?』
アロエ「自分を偽る、本当のことから目を逸らす……落とし穴はどこにでもある」
アロエ「本当に大切なことは、失ったことにさえ、なかなか気づけない」
ミュウツー『そんなに大切なものなら、失えば気づくのではないのか?』
アロエ「どうかな」
アロエ「失って……あるいは捨ててしまって、ずっと経ってから、ふと思い知ることもある」
アロエ「頭か身体のどこかに、もう二度と埋まらない穴が開いている、ってこと」
アロエ「それで、おしまい」
ミュウツー『……二度と……埋まらない穴』
その言葉は、人ならぬ客人にどう響いたのだろう。
実感を伴って思い出される記憶が、その心の中にあるのだろうか。
アロエもこの新しい友人について、多くは知らない。
これまで、この世界でどんなことを経験してきたのか。
何を見て、何を感じ、何に心を動かされてきたのか。
そんなことは、まったく知らない。
それでも……だからこそ、こちらからできる働きかけは少ない。
示し、気づかせてやることしかできない。
自分の世界は、今よりもなお広げることができる、と。
広げたいと願うとき、広げようとするとき、何が必要なのか。
人間でもポケモンでも、それは変わらないはずだ、とアロエは考えている。
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