過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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865: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/05/15(木) 00:08:23.52 ID:bkaD2x5po

ミュウツー『……』

ミュウツー『わ……私がかつていた地方では、貴様の言う「最初の三匹」は……』

ミュウツー『……ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネだったと記憶している』


今度は大丈夫だったようだ。

同じような言葉を伝えても、さきほどのような現象は起きない。

いや、現象といっても物理的に何かが起きたわけではない。

『私』の頭の中で、ただ何かが起きたように感じただけだ。

自分の外側にある世界が、歪んだり変わってしまったわけではない。


アロエ「ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネってことは、カントーだね」

ミュウツー『その通りだ』

アロエ「ってことは……またずいぶんと遠くまで来たもんだね、キミも」

ミュウツー『……海を越えた』

アロエ「大変だったね」

ミュウツー『……』

ミュウツー『……大変……だったのだろうか』

ミュウツー『自分では、よ……よくわからない』


ミュウツー(遠かった、といえば確かにそうだが)

ミュウツー(なにもその道のりを歩いて来たわけではないからな)


優しさの足りない夜風に吹かれながら、ただ体力が尽きるまで飛び続けただけだ。

思うところは、いろいろとあったが。

それを、この人間の女は『大変だった』と形容した。


バシャーモが、よからぬ場所から救出された末に出会った老女。

彼女がバシャーモに与えた『頑張った』という言葉。

その時の彼は、今の自分のような気持ちだったのだろうか。


恥ずかしいような、こそばゆいような、そういう心持ちだった。

払った労力を認められたことを、嬉しく思う気持ちに似ている。

なんとも思っていなかった自身の行動を褒められたような、むずむずする気持ちにも似ている。

まさにこれ、と言い表しにくいところが、更に歯痒い。




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