過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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954: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/08/20(水) 01:06:19.06 ID:uzzTTkrho

待ちきれないといった声が跳ねた。

確かに、次の本を要求されてからの雑談が長引いている。


ミュウツー『ああ……そうだったな』

ダゲキ「あ」

ミュウツー『なんだ』

ダゲキ「ずかん」

ミュウツー『……あ』

ダゲキ「わすれてた?」

ミュウツー『わ、忘れてないぞ』

ミュウツー『……そういえば、そんな約束をしていたな、と』

ダゲキ「……」

ミュウツー『なんだその目は! 約束通り、借りてきてあるだろうが!』

ダゲキ「わあ、やった」

ミュウツー『……そんなに喜ぶことか!?』

ダゲキ「うん」

ミュウツー『そ、そうか……』

ジュプトル「……ずかん? あるの?」


素頓狂な声を上げ、ジュプトルがきょろきょろとふたりを見た。

やはり図鑑というものを知っているか、と、そんなことを思う。

ダゲキや自分と同じく、ジュプトルも人間と過ごした時間のどこかで、その存在や意味を知ることがあったのだろう。


ミュウツー『必要に迫られてな』

ダゲキ「ぼくが たのんだの」


自分のおかげだ、とでも言いたそうな声。

明確に声音が変わったわけではないものの、今までに比べれば『誇らしげに話している』らしく聞こえる。


ミュウツー(やれやれ)


小さな溜息を吐きながら、ミュウツーは今まで読んでいた絵本を傍らに置く。

ダゲキは黙って、その絵本を目で追っていた。




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