118: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:28:30.52 ID:EnRHzSex0
「ハッピーエンドは、これをもって締めくくられるのよ。わかるかしら」
「もちろん。ああ、けど、その前に君の告白が聞きたいな。ダメかな?」
「いいわよ。わたしは、あなたが好きです。付き合って。愛してるわよ」
「一生離さないわよ。文字通り一生を賭けたわけだし。あなたも一生よ」
「うん。じゃあ、言うよ。僕も、君のことが好きだ。君を一生愛するよ」
「そう。それでいいのよ。ふふ。ふふふ。ふふふふ。顔がにやけちゃう」
「最高のシーンが台無しだよ。なんてことだ。これは嘆かわしいと思う」
「わたし、まだ大根役者だから。これから演技もよくなっていくと思う」
「演技は困るよ。さも幸せそうですみたいじゃ嫌だ。幸せになるんだよ」
「そう言えば、あなたはもう一つ『一生のお願い』が願えるじゃないの」
「ああ。でも、僕は願わない。神様に頼ってちゃ、幸せになれなそうだ」
「でも。その代わり、僕は君に願うんだよ。願いって、そういうものだ」
「ゲームは一日一時間。これからは君の隣で大切な時間を使っていくよ」
「親にも謝るんだ。やること多いけど、時間はある。大切な時間がある」
そこまで言ったところで、僕は携帯の着信音に気付いた。でも、続ける。
だって、見なくたって、誰から何が送られてきたか、わかってるんだし。
さて、この言葉で、僕たちのハッピーエンドを締めくくるとしようかな。
「ずっと、僕の隣に居てほしいんだ」
「言うなればだけど。これが、僕の」
「一生のお願いだ」
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