33: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:31:48.00 ID:EnRHzSex0
「お前、人の話聞いてんのか。前出て、この問題解け。お前だよ」
空に瞬く星を眺めていたら、僕は副担任の授業で当てられてしまった。
数学だ。僕はあまり、数学が得意とは言えないので、困ってしまった。
「すみません。聞いていませんでした。集中します」
「それがいいな。教科書も出しとけ。寝たら立たす」
言葉は悪いが、副担任の授業は非常に解りやすいのだ。評判だった。
それなのに、どうして星を眺めていたか。昨日の観測者についてだ。
僕は観測者の願いに反して、不幸せにならなければならないことだ。
「あー、誰にするかな。名前覚えてないんだよな。よし、お前だお前」
そう言い、副担任は彼女を指名していた。転校二日目で無理はない。
仮に本当に一人の名前すらも覚えていなければ、少々落胆しそうだ。
しかし、彼女の名前は覚えているようだ。顔立ちだっていいもんな。
「はい」
彼女は、やはり頭がよかった。すらすらと黒板に答えを写していく。
「へえ」と副担任も声をあげて感嘆していた。珍しい光景だと思う。
ニュースで、五日後には朝になると言っていた。寝る頃には、朝か。
「そろそろ、お前は立ってろ」
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