68: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:53:40.65 ID:EnRHzSex0
あの日から換算して、両親は、十二月前には死に至ることになる。
彼女と僕は、僕の方が早生まれだが、卒業式前日に死に至る。
電話口から「どうした。返事しろよ」と先生の声が聞こえる。
「すみません」と震えた声で一言を告げ、僕は電話を切った。
もう、両親の余命は、数時間もありはしなかった。
僕は、その理論はあくまでも仮説だと証明する為に、裏付けをとった。
今までニュースで報道されていた人物を、僕は年齢順に並べていった。
すると、あの日から、亡くなっている人物の年齢は小さくなっていた。
その瞬間には、僕の全身の力が抜けた。
理論は、悲劇的な形で論証されることになってしまった。
そして、僕の両親も、その裏付けの欠片となり亡くなる。
「嘘だろ」
僕は誰も居ない自室の中で、そう呟いていた。嘘だ。嘘だろ。
神の領域に土足で踏み入った代償は、人の死となって現れた。
僕は。僕は、軽率な事をしたんだ。やってはいけないことを。
「ねえ。神様。お願いだ。僕を助けてくれ。願いは取り消しでいい」
「違う。願いなんて、そもそも要らない。信じるから、助けてくれ」
「誰でもいい。時間の価値を知った。僕が死んだっていい。助けて」
「助けてくれよ。僕が、悪かったんだ」
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