75: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:57:11.54 ID:EnRHzSex0
「そうでもありません。彼女と、先生のおかげですよ」
「あたしは、何にもしてねえよ。あいつのおかげだな」
「僕は、先生が先生で、本当に良かったと思ってます」
「そうか。そう言ってくれると、担当した甲斐がある」
「はい。本当ですよ。また、ご飯食べに行きましょう」
そう言うと、先生は「今度は奢ってやるよ」と笑ってくれた。
もう、いつまでも、心配はかけられない。強い男になるのだ。
そして、僕を探しに来たのか、職員室に彼女が来た。
「あら。ああ。先生とお話をしていたの。なるほど。先生」
「電話中みたいだ。また今度にしよう。そろそろ帰ろうか」
「ええ。そうしましょうか。帰りましょうか。お腹すいた」
「ああ。はい。では、そのようにお伝えしておきますので」
先生は、たまに別人と思うような喋り方をするな、と思った。
職員室を出て行こうとしたが、彼女は、動こうとしなかった。
それを聞いていた彼女は、何かを思い出しているような表情。
「わたし、あなたを、必ず幸せにするから。よろしく」
そう言って彼女は走りだし、休み時間なのに、そのまま出て行った。
どうしたというのだろう。わけがわからない。それにしても、彼女。
ああ。そっくりだ。誰にだっけ。そう。思い出した。僕は、呟いた。
「…君は、観測者に、そっくりだ」
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