過去ログ - ゲームは一日一時間
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74: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:56:39.65 ID:EnRHzSex0

「先生が言っていたように。わたしも、あなたを幸せにする」

彼女は、何かを決意したような声で言った。僕には分からなかった。
ありがとう。僕がそう言うと、気にしないで。そう言って、笑った。

僕はこのまま行けば、不幸なままに人生を終えられる。

それが、僕にとっての幸せなのだ。ふたりには悪いのだけど。
彼女と先生のおかげで、僕は少しずつ、立ち直り始めていた。
僕は、彼女より早く余命を終える。それが唯一の救いだった。

救い。

どうして、救いなのだろう。彼女は死なないで済むからか?
ふと、僕の思考を駆け巡ったその言葉に、僕は悩まされた。
言葉の綾だろう。僕はそう結論づけて、考える事をやめた。

その頃には、僕はついに三年生になっていた。

四月。僕はついに、学年でも上位十人に食い込んでいた。
父と母の言葉を思い出せば、これくらいは、楽なものだ。

「お前。ずいぶん成績あげたじゃねえか。鼻が高い」

そう言って笑ってくれた先生の表情には、陰があった。
恐らく、未だに、僕の心配をしてくれているのだろう。
僕が「大丈夫ですよ」と静かに言うと、先生は言った。

「強くなったな」




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