77: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:58:40.41 ID:EnRHzSex0
「もし、一日が二十四時間だったら。あなた、そう言ったでしょう」
その翌日。彼女は、今まで回避していた話題を、自ら掘り返していた。
いったい、何の心境の変化があったならば、彼女を変えてしまうのか。
「色々、思い出した事があるのよ。わたしは、どちらでもいいわよ」
彼女は、それ以上語らなかった。語るタイミングではなかったのか。
それは定かではなかったが、言いたいことを言ったような顔だった。
「そう。そう言えば、今年のクリスマスこそ一緒に過ごしましょう」
「いいよ。いいけど、まだ夏前じゃないか。冬は、まだ先すぎるよ」
「そう?すぐだと思うけど。違ったかしら。約束よ。破ったら死ぬ」
針千本より、幾分も重い刑を告げられてしまった。けど、破らない。
昨年のクリスマスは、両親のこともあり、実感すらもわかなかった。
僕は知らないうちに、ずっと隣で支えてくれる彼女に惹かれていた。
そう。前より、ずっと。
そう言えば、彼女に好意を伝えていなかったな、と僕は思い直した。
僕の余命は、来年の二月まで。彼女もそうだ。口には、出さないが。
それまでに、彼女に伝えたいと思った。
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