91: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:07:52.43 ID:EnRHzSex0
時間は少ない。もう、残り五十分。両親のように体調を崩してはいない。
となれば、突然死するという方が自然だろう。死因は多々あったはず。
同一の条件であったのは「八十歳に至れば、死亡する」というものだ。
思い出せ。全ての事柄を。世界が書き換えられた翌日からの、全てを。
僕が最後まで拭いきれなかった、違和感を。途中で消えた、違和感の理由を。
一つ一つ、何もかも、僕の心情一つすらを確実に回想していく。
僕が願ったこと。一日が一時間になったこと。記録係の言葉を。
彼女が転校してきて、何が起こった?そして、何を見て聞いた?
情報というパズルのピースを、一つずつ、はめ込んでいく。
ゆっくりと、ゆっくりと。思考を明瞭にしていく。
外側から、内側へと。パズルは、完成していった。
そして、やがて。それは、完成し、僕は理解した。
ああ。
全てではないが、僕は、分かった気がする。
僕は、携帯を取り出し、電話をかけていた。
「屋上で待ってる」
それだけ言って、しばらくして。予想していたかのようにやってきた。
きっと、いずれは気付くと思っていたのだろう。そりゃあ、そうだよ。
考え直してみれば、あまりにも不自然すぎるんだ。ねえ、そうでしょ?
「先生」
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