92: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:09:42.88 ID:EnRHzSex0
「いきなり呼び出して、ご挨拶じゃねえか。こんばんは、だろうが」
「あなたが、観測者だったわけだ。僕は、もう、気付いてしまった」
「悪いが、何のことかいまいちでな。説明でも、してもらえるか?」
先生は。観測者は、たばこに火をつけ、ゆっくりと紫煙を吐き出した。
残り三十分。僕は、観測者に賭けるしかない。僕の幸せを委ねるのだ。
「思い出せば、最初からおかしかった。赴任早々の挨拶。まずは一つ」
「空に星が輝いてるのに『おはよう』だなんて、普通なら言わないよ」
「それに、朝飯だとか、昼飯だとかも。この世界の中では言わないよ」
「朝も昼も、たまに来る位の世界なんだから。それはおかしいと思う」
「そいつは、あたしが寝ぼけてただけだ。これは、証拠にならないな」
「あくまで、まだ、しらを切ると」
先生は立ち去ろうともせず、ただ、僕の話を聞いているだけだった。
「本当に証拠があるのか」と、僕を試しているようにも見えていた。
屋上からたばこを投げ捨てると、二本目のたばこに火をつけていた。
「なら、決定的な証拠があれば、先生はそれを認めてくれるかな?」
「ああ。いいぜ。しかし、今の発言は、認めたわけじゃねえけどな」
「なら。先生の、決定的な矛盾は」
「どうして、まだ、先生は生きているの?」
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