過去ログ - あずさ「運命の人って、信じますか?」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/19(金) 00:27:53.19 ID:BaguKkaS0
「あなた、ちょっと落ち着きなさいな、あずさも、ほら、座って座って」

お母さんが言うのも聞こえず、私は父の目を見据えたまま。
涙が頬を伝うのも構わず。
そうしている内に、父が目を逸らしました。

「…もういい!好きにしろ!」

父は、そう言い捨てると、二階の書斎へと引っ込んでしまいました。

「お義父さん!…ごめんなさい…俺がもっと上手く言えば」

プロデューサーさんが、申し訳なさそうに項垂れています。

「プロデューサーさんは悪くありません!」

「ごめんなさいねプロデューサーさん…多分あの人も混乱してるのよ」

お母さんが、苦笑いを浮かべています。

「いえ、私にも責任が」

「プロデューサーさんは悪くないですよ」

「あずささん、でも」

「ほんと…」

昔から頑固な父でした。
でも、それがただのワガママやエゴでは無い事は、分かっていました。

「あずさも、相当よ」

「お母さんだってそうじゃない」

「あら?そうかしら」

「とにかく…私はもう、決めたんです」

「あの人も、分かっていると思うわ。でもね、父親って言うのは、こういう時素直になれないのよ…娘が可愛ければ、可愛いほど、ね」

そう、父は、私のことを愛してくれている。
でも、だからこそ、今回の事は、一番喜んでほしかった。
なのに…

「プロデューサーさん、今日の所は、お引き取り願えますか?遠路はるばる、ご苦労様です」

母も、父がこうと決めたら動かないことを知っています。
今回は、父に納得してもらう事は無理でしょう。

「お義母さん…」

「は〜い?」

何だか、うれしそうですね…

「…これを」

プロデューサーさんは、自分の鞄から取りだしたチケットを、母に渡します。

「…三浦あずさ、引退ライブ」

私の、アイドルとしての最後のお仕事。
その最後を、プロデューサーさんは私の両親に見てもらいたいと言っていました。

「お義父様にも、是非来ていただきたいんです」

「分かりました、引っ張ってでも連れて行くわ」




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