105: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/25(日) 05:49:32.29 ID:79dYTcmBo
これ以上、いけない。
私は、声に関しては門外漢もいい所だ。だが、この声は”不味い”。そう直感で感じていた。あの時彼女に感じていた”ガラス”の声などではない。これは”氷”の声だ。もはや彼女の声でさえない。
私は急ぎ扉を閉めると、急ぎ足でステージへと駆け寄った。
『千秋さん! ストップだ! 今すぐ歌うのをやめてください!』
「……P、さん?」
驚いたようにこちらを見た千秋さんは、少しふらついたらしく、こちらへとしだれかかってくる。
私は半ば抱き留める形で彼女の体を受け止めると、そのまま片手で椅子の所まで支えて歩き、座らせる。
(酷い汗だ)
嫌な汗のかき方だ。先ほど抱き留めた時にも、体の熱の持ち方が少しおかしかったし、何より声に少し掠れを感じる。
それにしても、マスターはどうしたのだろうか。こんな状態になるまで、マスターが放っておくわけがない。
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