過去ログ - モバP「凡人と第六感」
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169: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/07(土) 00:52:43.80 ID:XIq8vfkGo
(……千秋さんは、どれほどのトレーニングを積んだのだろうか)

 私が感じた”ガラス”の声は、決して悪い物ではなかった。今になってそう思う。あの声を手に入れるために、この世界では何千、何万の人々が苦心している。

 彼女がトレーニングにトレーニングを重ねて手に入れた、鍛錬の証であるその声は、澄み渡った水晶と、方向性は違えど同じ尊さ、同じ美しさを身ごもった努力の結晶だ。

 ただ、歌には相応しくはなかった。遠くまで良く通り、聞く者を圧倒し、畏敬を抱かせる声は、ミュージカルや演劇にこそ相応しい物であって、歌の為の声ではない。

 私がはじめ抱いた違和感の正体はこれだ。彼女の声は、女優や俳優が発する声のそれであり、歌手の物ではない――。

 ささやかながら劇団に所属した事のある私には、それが引っかかったのだ。



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