78: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:52:05.93 ID:06zt3LxLo
「ああ、Pくん、だったか。ちょっと残ってくれるかね」
そんな私を、呼び止める声が上がる。思わず、少し身を震わせると、私はゆっくりと振り返る。
完全に目が合った。嫌な合い方だ、漫画や小説の世界なら、確実にこの後嫌な展開が待っている。そう思いながら、私は目が合った相手――シンデレラガールズの社長へ向けて、言葉を紡ぐ。
『……は、どうか、なさったのですか?』
「ああ、うん。まあ、ね。というより、今日の本題と言っても過言ではないのだが」
彼は少し苦笑すると、おもむろに書類を二枚、鞄から取り出す。そして、それを社長の前にすっと差し出した。
「これは、何ですかな?」
私の社長が、やや訝しげにそう尋ねている。アイドルの移籍話に、うちの社員は関係ないのでは――。そんな表情だ。
対し、シンデレラガールズの社長は、ほんの少し微笑むと、ゆっくりと口を開いた。まるで、走馬灯を見ているかのような錯覚。
そして、同時に私は、頭を鈍器で殴られたような、そんな衝撃を受ける。
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