過去ログ - 一夏「おれ……えと、私は織斑一夏と言います」
1- 20
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/27(土) 02:31:23.17 ID:IUYxfxtp0

今、現在、ルームメイトとなっているシャルロットはこうやってしっかりと手を繋ぎ続けた。

そして、息子を看病する母親のように夜通し握り続けて、その果てに眠りに落ちることが数度あった。

一夏はその手の温もりの正体を確認する度に妙な既視感のようなものを感じていたのだった。

そして――――――、


一夏「ふと、思い出したがある」

シャル「どうしたの、一夏?」

一夏「どうしてシャルロットから一番母親らしさを感じたのか、その答えをね」

シャル「(誰にも触らせない櫃の中から何かを探してる)」

一夏「えっと、このアルバムだな。そう、この写真」

一夏「見て見て。このフランス人、シャルロットと面影が似ているんだ。この人にはお世話になった」

シャル「――――――! この人は…………」

一夏「そうだな、あれは“じィちゃん”に付いて行くのを始めた頃で、本当にあの頃は惰弱だった」

一夏「その頃の俺は誘拐されてから“じィちゃん”に引き取られたばかりだったから、」

一夏「無駄に力が入り過ぎて、強がろうとしていた」

一夏「いや、弟子入りしたからすぐに強くなったもんだと勘違いしていた」

一夏「だけど、初めての場所なのに強がって“じィちゃん”のために飲み物でも買おうとしてたら、」

一夏「案の定、迷子になっちゃってね」

一夏「それで、俺はフランスの田舎町で親切なこの人に介抱してもらったんだ。たった一晩だけ」

一夏「その後の忙しない修行生活の中で忘れていったんだけど、」

一夏「でも、覚えているんだ。あの感じ」

シャル「……一夏」ジー

一夏「……? どうした、シャルロット」

一夏「……悪い、興味なかったか」

シャル「これ、僕のお母さん」

一夏「…………へ?」

シャル「僕のお母さんだよ……懐かしい……」ポロポロ

シャル「それにね、一夏? もしかしたら僕はその時、一夏に会っていたかもしれない」

一夏「ほ、本当に?」

シャル「かもしれない。お母さんがある日、どこの子とも知れない子のお世話をしていたから」

シャル「こんな、こんなことがあるんだね、一夏」

一夏「なんというめぐりあわせ……運命っていうのを信じてみたくなるもんだ」

シャル「うん、本当にね」

一夏「なあ、シャルロット」

シャル「なに、一夏」

一夏「これから末永いお付き合いをよろしくお願いします」

シャル「うん!」


「一人よりも二人」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
223Res/312.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice