過去ログ - 一夏「おれ……えと、私は織斑一夏と言います」
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◆G4SP/HSOik
[saga]
2013/07/29(月) 04:25:13.54 ID:PhQsz/zr0
じィちゃん「この子たちを見るがいい」
少女「………………」
騎士「………………」
じィちゃん「この子たちから悪意やエゴといったものを感じるか?」
一夏「そんなことは…………」
じィちゃん「ワシがお前に『白式』を渡した時のことを覚えているな」
一夏「それはもう絶対に忘れることができない出来事です」
一夏「自分をこんな風にした元凶であると同時に、お姉ちゃんの後をこれで追いかけることができるっていう、嬉しさと苦しさがありました」
一夏「でも、小さな時にはできなかった、お姉ちゃんと同じように空を自由に飛べるという感動がそれらを上回っていました」
少女「………………」
騎士「………………」
じィちゃん「――――――同じ事だ」
一夏「え?」
じィちゃん「お前も知っているだろう? ISという画期的な軍事技術が世界に変革をもたらしたからといって、」
じィちゃん「大多数の人間の生活が劇的に変わることはなかった」
じィちゃん「それなのに、世界は変わった」
じィちゃん「何故だと思う?」
一夏「それは、『白騎士事件』によってISの存在への認知が広まったから……」
じィちゃん「それはきっかけに過ぎない」
じィちゃん「歴史を振り返れば、どんなに馬鹿げた理由と明白にわかっていることでも人は様々な愚行を積み重ねてきた」
じィちゃん「だがしかし、時には世間一般が言う非常識な愚行によって新境地に至ったという例がある」
じィちゃん「時代とは常にこれまでに無かったものによって変化してきた」
じィちゃん「コロンブスの卵とかマイクロプロセッサなんかがそうだな」
じィちゃん「人は愚行とわかっていても、あるいは罵られてもやる時はやるものだ」
じィちゃん「そして、人の意思というのは定義されるほど定まってもいない、非常に流動的なもの」
じィちゃん「己の主義主張を概念や言葉通りに果たせる者など一人として存在しない」
じィちゃん「ISがお前にとって忌むべきものであると同時に、親近感と感動を抱いていることに何の矛盾はない」
じィちゃん「熱さと冷たさ――――2つの相反するものを同時に物理的にも精神的にも感じられるようにな」
じィちゃん「人というのは新しきと旧きを感じて、時代と共に移り変わっていくものなのだから」
一夏「………………あ」
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