12: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/27(土) 22:04:02.75 ID:S/7JCsE90
途中から紐を持って途中参戦した彼女は、中々に役立った。
一つ問題点があるとするならば、本を亀甲縛りで縛るところか。
一般雑誌から音楽からゲームまでが猥褻物に早変わりしていた。
「あなたの部屋、何もないのと変わらないじゃない。すごい」
「中身のない人間だったのかも。僕の趣味はこれだけだった」
部屋を見回せば、もうそこには他人はどこにも残っていなかった。
人に勧められて好きになったものもあるけれど、それでも少ない。
数十冊の蔵書、数枚のCD、ゲーム機が数個と数十本のゲームだ。
「良かったの?カーテンやら、何やらまで取っ払っちゃっても」
「いい。僕が選んで、僕が好きになったものが気になったから」
人に好かれようとしない僕自身の部屋は、あまりに殺風景だった。
でも、ああ、これが僕なんだ。そう思うことができて嬉しかった。
まともに自分が誰かも分からないまま死ぬなんてのは、ごめんだ。
「手伝ってくれてありがとう。何か作るよ。お腹もすいたから」
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