過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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527: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 01:17:21.93 ID:CYYoNZQK0
「ヒッキーも…………して?」

上目遣いの潤んだ瞳でそう言うと、彼女はいったん両手を顔から離した。そしてパレードの方に向き直ってから自分の頬

をちょいちょいと指さす。え?なに?これ俺もやらないといけないの?さすがにそこまでは…………。逡巡している間に

結衣は指を頬から離して下ろしてしまい、むすっと膨れてしまう。不機嫌そうな顔の結衣は俺にこんなことを尋ねる。

「ヒッキーはさ、…………ディスティニーランドのこういうジンクス知ってる?」

「……こういうって?」

「初デートで夜のパレード中にキスしたカップルは別れないっていうやつ」

「いや……知らんけど…………お前、そんなこと信じてるのか?」

俺の少々無遠慮な発言に、結衣はこちらを見て少し口を歪ませながらこうつぶやく。

「別に信じてないけどさ…………こうでも言わないと……その……キスしてくれないのかなって」


そう言いながら、少し悲しげな顔になる結衣を見て俺は自分の臆病さを恥じる。今日は、今日だけは向こうが踏み込んで

ほしいところまでこちらも踏み込むと自分は決めたのだ。せめて今だけは、彼女を不安にさせるようなことはあっては

ならない――――。

「ごめん…………すぐ行動できなくて。さっき俺のことは気にしなくていいって言ったばかりなのにな」

俺は覚悟を決めてこちらに向いたままの結衣の肩に手をかける。すると、顔を少しこちらに近づけて彼女は目を閉じた。





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