過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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654: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:14:57.19 ID:dlzKvi+G0
陽乃さんはそう言ってから「あ〜あ」とため息をついて両手で頬杖をついた。その後は、彼女は特に何か話すということ

はなく、しばらく沈黙が続く。陽乃さんはいったん片手を顔から離して、カップを手に取りゆっくりと液面を回転させて

いた。その様子がなんだかワインのテイスティングみたいに見えたのと、”また”という言葉が喉に引っかかったような気

がして俺は柄にもないことを口にしてしまう。

「えっと、なんというか……まあ……アレですよ。ワインをつくる時のように、熟成に時間を要する人間関係もあるって

ことですよ」

「何それ?もしかして、私を慰めてるつもりなの?」

「いえ、というよりは…………俺の遭った状況を喩えたものと考えてもらった方が正確かな、と」

「あら、そう。じゃあ…………雪乃ちゃんと比企谷くんのワインは?もうできそう?」

じゃあ、死になさい。とか言われなくて俺は胸をほっとなでおろした。しかし、今の質問に答えるには肯定か否定かと

いうことに関わらず、必要不可欠な別の要素について言及しておかねばならない。


「それは……俺にもまだわかりません。それに、これは二人だけの問題ではないんで。俺と由比ヶ浜の問題が解決しない

限り、俺と雪ノ下とのことも構造的に決着しないんですよ」

俺の返答が意外だったのか、陽乃さんは目を丸くしてこう訊き返してくる。

「え?でも、もう由比ヶ浜ちゃんとは別れたって…………」

「……」

「ふ〜ん……そう。でも…………ま、いいか」


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