過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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725: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/06(日) 20:38:39.12 ID:LeQZFUAM0
言いたいことを言い終わって、俺は少し下を向いて安堵のため息を漏らしてしまう。顔を上げて由比ヶ浜の方を見ると、

瞳が少し濡れているのがわかった。俺がまた話しかけようとすると、手がほどかれて後ろを向かれてしまう。由比ヶ浜は

俺に背中を向けたまま何やらぶつぶつ言っていた。何をつぶやいているのかまでは聞き取れない。


「ゆ……由比ヶ浜…………あの……」

「なんか…………ほんっとうにもう!」

叫ぶようにそう言って振り返ると、キッと睨んで俺の方に飛びかかるようにして両手を伸ばし、俺の頬を強くつねった。

「どうしてもう……こんなに……ヒッキーは……」


痛いという間もなく由比ヶ浜は涙目のまま俺を上目遣いで見つめ、ぱっと手を離したかと思うと今度は顔を俺の胸にうず

めてくる。手が俺の背中に回されたので、俺の手もそれに応じることにした。髪の匂いが鼻孔をくすぐり、鼓動の音が

彼女に聞こえるような気がしてそれがますます心臓に早鐘を打たせる。そんな状態で何も言えない俺をよそに、由比ヶ浜

は俺の胸の中でまたぽそっとつぶやく。

「あたし……別に……強くないし……ここに来る時も、ずっと、不安だったし……」

「ごめん……」

「……」


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