過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:02:57.51 ID:lT0ghM6n0
顔と手に変な汗をかきながら、俺がたじろぎながらそう答えを返すと結衣は満足したのか、顔の位置を元に戻してから
ニッコリと妙に凄みのある笑顔で俺に微笑みかけてくれた。どうにも手汗が気になって俺は握られた手をほどこうとする
が、かえってそれが向こうの握る力を強めてしまう。俺は思わず結衣に話しかける。
以下略
750
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:05:40.12 ID:lT0ghM6n0
「あのね…………あたし、土曜日にデートしてた時はその……浮かれてて、ヒッキーのことをあんまり気にかけてあげ
られてなかったんだと思う。だから、別れるって言われた時は正直ショックだったけど…………でもヒッキーが心配性な
以下略
751
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:09:09.50 ID:lT0ghM6n0
俺が名前を言い直すと、結衣はふふっと微笑みかけてくれた。その笑みに自分もつられて頬が緩んでしまう。しかし俺の
緊張の糸は、まだどうにか切れずに済んでいた。結衣は目を細めて話を続ける。
以下略
752
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:11:45.60 ID:lT0ghM6n0
「でも……その、なんというか…………もう、結構なんだ……お互いのこと知ることは、できてはいるんじゃないか?」
「“今”のあたしとヒッキーに関しては、そうかもね。でも、これから先のあたしたちのことはまだわからないでしょ?」
「そ、そうだな……」
以下略
753
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:13:31.49 ID:lT0ghM6n0
「ああ、悪い…………俺も……楽しみにしてるよ。自分と結衣とのこれからについて。少し怖いとも思うけど、な」
「そ、そっか…………でも、大丈夫だよ」
以下略
754
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:16:56.45 ID:lT0ghM6n0
あの時も結構色々なことを口にしていたし、思い当たる節が多すぎて一体何のことか判然としない。結衣は俺の反応を
見て少し眉根をひそめる。
「ヒッキー言ってたでしょ?今の幸せは自分の手に余りすぎるって。それで、それを逃したくないって。でも、どうして
以下略
755
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:21:17.78 ID:lT0ghM6n0
そう言って結衣は握っていた手をいったん離し、両手を前に出すように促す。こちらがそれに応じると、彼女は俺の両手
を組ませる。そして、結衣に撫でるようにして触れられて俺の手が包み込まれる。
「だからね…………ヒッキーの手から幸せが零れなくなるまで、こうするんだ」
以下略
756
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:24:18.69 ID:lT0ghM6n0
今までずっと自分の中に溜めていた心情が、奔流のように襲ってくる。
俺の中の“引き出し”が、開け放たれてしまう。
感情の緊張の糸が、すべて切れてしまう。
以下略
757
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:27:14.69 ID:lT0ghM6n0
結衣の言ったことに反論できる筈もなく、俺は渋々彼女の方に振り返った。結衣は困ったような、ほっとしたような表情
で俺の方を見る。そして、ポケットからハンカチを取り出して手を伸ばして涙の流れる俺の頬を撫でた。
以下略
758
:
◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/08(火) 20:30:01.73 ID:lT0ghM6n0
どうにかこうにか、流れてくる涙が収まってくると俺はいったん彼女から体を離そうとする。結衣も状況を理解したのか
それに応じて回していた手を戻して、再び二人で立って正面で向き合う形になる。
「……少しは落ち着いた?」
以下略
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