過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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789: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/12(土) 22:42:07.26 ID:uMgeVN9Q0
雪ノ下はそう答えると、少し毒のある笑顔でこちらを見つめてきた。その目は「大丈夫でないのはお前のせいだ」と

言わんばかりで俺が返す言葉に窮していると、彼女はいったんこちらから視線を外す。

「大丈夫よ、私は。さっきあなたが放っておいてくれたおかげで。これで私はあなたにこれ以上の好意を持たずに済んだ

のだし、自分を見失うようなこともなくなった。そして、おそらくあなたの……その……これからするであろう選択を、

鈍らせるようなことにも……ならずに……」

雪ノ下の声はだんだんと小さくなり、言葉に詰まる。さっきの俺の行動を彼女が肯定している以上、気休めの言葉や一見

優しく見えるような行為をするわけにもいかず、俺は雪ノ下が言葉を続けるのをただ待った。


「ありがとう…………比企谷くん。さっき私のことを好きと言ってくれて。たとえそれが……恋人にしたいという意味で

なくても。私は……それでも嬉しかった」

そこまで言い切って、雪ノ下は俺の方を見て微笑んだ。隠しきれない影のある笑顔が、俺の心を突き刺す。しかし、嘘

偽りのない彼女の言葉には自分も相応の言葉を返さなければならない。俺も雪ノ下の目に視線を合わせる。


「俺も…………嬉しかったぞ。雪ノ下が俺のことを好きと言ってくれて。それがどういう意味であっても。だが……」

「……あなたには今、他に恋人にしたい人がいる」

「ああ」

「それに、たとえ今の私とあなたが恋人同士になったとしても……うまくいくとは思えない」

「……ああ、そうだな」


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