過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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791: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/12(土) 22:45:44.90 ID:uMgeVN9Q0
俺が二度目にした肯定の返事は、少し声がうわずった。嘘を言ったわけではないのだが、うまくいくとは思えないのは

別に相手が雪ノ下だからという理由ではない。どちらかというと俺の方に問題がある。だから、誰であっても似たような

返事にならざるをえないのだろう。それこそ、今週末に会う予定になっている人に対してでさえ。そんなことを考えて

いると、視線を外して前に向き直った雪ノ下がまた話し始める。


「私……あなたにはどうにかして幸せになってもらいたいと、心の底からそう思っているわ。だから私と同じ轍は踏んで

ほしくない」

「……同じ轍?」

「そう。自分本位の考えでこんなことを言うのも少しはばかられるけど……まぁ、仕方ないわね。私のクラスの人から

変なメールが来た日に、比企谷くんが私に告白をして……」

「あれは……本当に……悪いことをしたと思っている。俺はお前の……」


彼女の話が終わる前に、反射的に俺がそう答えると雪ノ下はこちらを向いてジロッと一瞬だけ睨む。

「比企谷くん。そういうのは私の話が終わってから。ね?」

「は、はい……」

「よろしい。実際のところ、問題があったのはほとんど私の方だわ。あの時まで自覚が薄かったという言い訳もできるの

かもしれないけれど……でも、私は自分の気持ちに正直に答えることができなかった。周囲の目を気にして……臆病に

なって…………変なプライドなんて捨ててしまってあそこでOKするということだってありえたかもしれないのに」


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