過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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◆QiIiNKb9jA
[saga]
2013/10/19(土) 23:32:20.04 ID:IdSKSuAc0
「でも、だからこそ…………私には無理なのよ。あなたを変えることは。私は由比ヶ浜さんのように器用ではないから、
今の比企谷くんを受け入れたらたぶんあなたはそのままになってしまう。ましてや更生させることなどできない。その
二つを両立できるのは、彼女だけ」
「……雪ノ下が自分で無理だというのはわからなくもないが…………由比ヶ浜にならそれができる、というのは何が根拠
になっているんだ?」
単純に由比ヶ浜が雪ノ下にとって大切な友達で、信頼が厚いという答えでもたぶん俺は充分に納得できたのだろう。でも、
実際に彼女が告げた回答はもう少し違ったものだった。雪ノ下はほんのりと頬を染めてこう答える。
「それは…………私自身がそうだったから」
「……そういう、ことか。それはなかなか…………説得力のある……根拠だな」
「ええ。そういうわけで……彼女にお手伝いをお願いしたわ。私に最初に来た依頼のお手伝いを」
「……そうか」
俺も雪ノ下も、由比ヶ浜には頭が上がらないなあ…………こりゃ。おまけに彼女が今言ったことだけではなく、これから
俺と雪ノ下がきちんと向き合えるようになるためにもおそらく由比ヶ浜の存在が必要なのだろう。俺と由比ヶ浜が、また
雪ノ下と由比ヶ浜が向き合っているのと同じようになるためにも。
自分がこれからやろうとしていることを考えると、こんなことを思うのはおかしいのかもしれないが、でも……そんな
友達を持つことができた雪ノ下を……俺は少し羨ましいと感じてしまった。友達、か……。俺は何かを思い出そうとした
が、それは雪ノ下の次の言葉で遮られる。
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