過去ログ - 由比ケ浜結衣「馬鹿にしすぎだからぁ!」
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2013/08/18(日) 00:28:23.59 ID:4fnsm8OK0
照りつける灼熱の太陽、熱せられた砂塵まじりの空気。
そこには累々といくつもの肉の固まりが転がっていた。
漂う、むせ返るような血と硝煙の臭い。
それに死体から流れ出る吐瀉物と排泄物の臭いがないまぜになり、あたりはまさに地獄の様相を呈していた。

ーいや、そこにいたのは死体ばかりではなかった。死肉を喰らうカラスに混じり、二つの人影が動いている。

一人は中肉中背、その体はわずかに前傾姿勢をとっており、手にしたM4カービンを油断なく動かし、警戒の体勢を緩めない。

一人はデ…軍人とは思えない幅の広い体系をしており、ミニミを軽々と片手で持っていることもさることながら、戦闘服の上からコートを着込んでいるのがこの中東の大地にあってあまりにも異様であった。

彼らはお互いを援護しあいながら、一軒の建物へと吸い込まれるように入って行く。
侵入者たちの歩みにあわせ、砂塵ともホコリとも知れぬものが宙にまい、差し込む陽光にキラキラと輝いた。
それは地獄の戦場にあって、どこか幻想的な光景でもあった。

「クリア」

「こちらも、クリアだ」

彼らは素早く室内を確認すると、わずかに安心した様子を見せた。

「ふむん。やはり我らのほかは全滅のようだな」

コートの声の男が口を開くと

「まだ連中の反応は消えたわけじゃない。決めつけんなよ」

もう一人の男が短く答える

「だが、八幡よ。彼らのほとんどは新兵ではないか。確かに『彼女』も向こう側にいた。そう信じたい気持ちはわかるがー」

「黙れ材木座。その話はするなと言ったろうが」

向けられた銃口がギラリと光り、材木座と呼ばれた男からタラリと汗が流れ落ちた。

「す、すまぬ。我が軽卒だった…。だから八幡よ、銃を…下ろしてくれ」

「ふん…」

材木座の懇願に八幡は素直に従った。別に彼は目の前の男に情けをかけたわけではない。銃声で敵に位置がばれ、自分の命が危険に晒されることを恐れたのだ。……というか材木座に撃ち込む弾丸がもったいない。

「しかし一体この状況からどうするのだ?」

材木座が尋ねると、八幡はわずかに開いた窓の隙間から外を指し示した。

「俺たちが他の連中との合流地点に行くには、あの橋をわたらなきゃいけない…だが」

「あの建物か」

「ああ、あれが厄介だ。俺の見立てだと、あの建物にゃおそらく3人はいる」

「ふむ。となれば気づかれず通り抜けるのは不可能!殲滅するしかなかろう」

材木座の言葉に八幡が頷いた。八幡にとって材木座の言葉に同意するのは正直スゲームカつー目の前の男と意見が重なるなど許しがたい屈辱ではあったが、状況が状況であった

「材木座お前はここかー」


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