過去ログ - 由比ケ浜結衣「馬鹿にしすぎだからぁ!」
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2013/08/18(日) 00:29:14.20 ID:4fnsm8OK0
ヒュン。
刹那。何かが空気に切り裂く音が響いた。
その音が敵が放った鉛玉が作り出した音であることを歴戦の勇士たる比企谷八幡が気づかぬわけもなかった。
「伏せろ!材木座!!」
八幡の言葉に材木座がその身からは信じられないほどの瞬発力を発揮し、物陰に隠れることで答えた。
相変わらず逃げることに関しては、動ける[
ピザ
]すぎて気持ち悪い。
「八幡どうする!撃ってきたぞ!!ばれているではないか!!」
材木座が叫ぶ。うるせえ黙れ。
「やることは変わらん!材木座!お前はここから撃ちまくれ!!俺は側面から回り込む!!」
材木座の答えも聞かず、八幡はドアから飛び出した。建物に侵入した時点で彼は外にある遮蔽物の位置も完全に把握していた。
正面の建物からはここは確実に、死角となるはずだった。
彼が飛び出した建物から、銃口が突き出され、5.56mm NATO弾が戦のリズムを奏でた。
それに答えるように向かいの建物からも銃声が響く、2、いや3。材木座は十分に囮としての役割は果たしているようだった。
「上等…!」
八幡は路地裏を進んだ。行動は迅速に、しかし決して慌てずに。その無駄のない動きは、さながら精密機械のようであった。
その動きはまさに、彼が戦場で過ごしてきた日々のー結晶ー
目標の建造物にたどりつくと、八幡は建物の壁に張り付き。内部の様子を伺った。
銃声の位置を聞き、それを頭の中の地図に落とし込む。
敵の位置は把握した。
扉を蹴破ると八幡は部屋の中へと飛び込んだ。
タン・タン・タン!
まるで良く出来た打楽器の演奏のように、リズム良く放たれた弾丸が1発は頭に、2発は胸へと吸い込まれ、一人目の男が糸の切れたマリオネットのように倒れ込むのを比企谷八幡は見るでもなく見た。
八幡の意識は既に二人目の相手に注がれ、相手が反応する間もなくさらに三発を放つ。
二人目を撃ち倒すと、八幡は視線を三人目へと向けた。
三人目の相手は、今の階下の騒ぎをまるで解さないかのように、いまだに外に向かって、おそらくは材木座に向かって発砲を続けていた。いっそ、やっつけてくんないかな。あの人。
だが自己保身を第一義とする八幡にとって仲間…いちおう味方…が撃ち倒され、敵と一対一でやり合うことなるのは避けたいことであった。
彼はセカンダリーウェポンであるM9に持ち替えると、未だに発砲をし続けている2階の男に近づき、その頭に向けて引き金を引いた。
外に出ると材木座がこちらに近づいてくるのが目に入った。ちっ、やっぱり生きてたか。
だが八幡の意識は、すぐにその後ろから近づいてくる人物へと移って行った。
戦闘服の上に、幼さの残る顔立ち、お団子にまとめられた茶色い髪。その可愛らしい容貌に、手に持ったカラシニコフはひどく不釣り合いに写った。
「ヒッキーー!!!あぶなーーーいい!!!」
彼女の口が聞き覚えのある名前を呼び、聞き覚えのないフレーズを口にした。
7.62ミリ弾が唸りをあげ、弾丸が次々と吸い込まれて行く。
材木座に。
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