過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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24: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/04(日) 23:19:42.64 ID:GT/ED//mo
「ただいま」

あれから当たり障りのない質問に答え、西田記者が料理のお代を出そうとしてくれたのを丁重にお断りし、私は家へと帰ってきていた。

「おう、お帰り」

玄関のドアを開けると、ちょうど階段を上ろうとしていた父さんが私の姿を見止めて手を上げてくる。

「咲がすねてたぞ。せっかく料理作ったのにどっかに行っちゃったって」

「そう」

父さんの言葉で私は咲が昼食を作るのに乗じて逃げ出したことを思い出した。

「美味くなったんだぞ咲の料理。母さんにはまだ敵わないけどな」

「そうなんだ」

「夕飯も作ってくれるそうだから楽しみにしとけよ」

「うん」

父さんに生返事をしながら靴と上着を脱いで家に上がる。

「お前淡白になったなぁ。麻雀には向いてるかもしれないけど父さんちょっと悲しいぞ」

「えっ、あの、ごめんなさい・・・」

「冗談だ。この程度の揺さぶりで動揺しててよくチャンピオンになれたな」

おどけてみせる父さんは大きな掌で私の髪を何度か軽く叩いた。

小さな頃に何度も同じようにされた記憶が蘇る。懐かしかった。

「お年玉取られて泣いてる時、父さんいつもこうしてたよね」

懐かしく、悲しい記憶だ。

「うっ! いやぁ〜・・・」

「こっちも冗談」

髪の上で固まった父さんの手をどけて、私はリビングへと向かう。

確かに悲しい記憶だったけどまだ家族で楽しく麻雀を打っていた頃、雀士宮永照の原点となった記憶でもあるその記憶を思い出して嫌な気分にはならなかった。

「照。久しぶりに帰って来て一人で歩きたい気持ちもわかるけど、せめて携帯くらいは持ってけ」

リビングへと向かう私の背中に父さんの言葉が投げかけられる。


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