過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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66: ◆OdfYj4TIEc[saga]
2013/08/09(金) 20:59:16.92 ID:WhpkSQEIo
いつの間にか咲は私のすぐ近くまで寄って来ていた。
「もう苦しまなくていいよお姉ちゃん。私お姉ちゃんと一緒なら世間なんてどうでもいいから」
「やめて!」
私を抱きしめようとする咲の手を払い飛ばす私。
「お姉ちゃん・・・?」
咲は腕を押さえて何故と問う。
「私は・・私はお前が思ってるような人間じゃない」
私は吐き捨てるように言った。
「私がお前を突き放して離れて暮すように仕向けたのは、お前に私を姉であると思うことをやめさせるためだ」
「・・・!」
咲が息を呑み目を見開く。
「そうまでしたのに私はお前の気持ちを知っても自分の想いを伝えて受け入れることも、拒否することもしようとしなかった。何も失いたくなかったからだ」
このままでは咲に失望されてしまう。わかっているのに止められなかった。
「私は父さんと母さんを、友達を、あの子を利用して、お前のためだと言い訳しながら自分を守っていたんだ・・・!」
「お姉ちゃん・・・」
「私は卑怯で、臆病で、汚くて・・・最低な人間だ。お前と一緒になる資格なんかない・・・!」
堰を切ったように心情を吐露しつくした私は、切れる息もそのままに力なく頭を垂れる。
マスコミに対する猫かぶりと同じだ。私は自分に対してさえ猫を被って、本心ではほくそ笑んでいるような下種な人間だ。
姉妹であるとか同性であるとか関係ない。私と一緒になっても咲は幸せにならない。
だからこれでいい。これで初めて咲の幸せのために行動出来た。
底のない絶望感に襲われているけど。胸が張り裂けそうに痛いけど。
それは他人を、自分を騙し傷つけ続けた私への罰だ。
「・・・すまなかった咲。私はそういう人間なんだ。その気持ちは忘れてくれ」
「嫌だよ」
私は床を見つめたままフラフラと部屋に帰ろうとしたけど、咲に抱き寄せられて止められた。
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