過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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65: ◆OdfYj4TIEc[saga]
2013/08/09(金) 20:58:38.44 ID:WhpkSQEIo
「でも私に謝りながら泣いてるお姉ちゃんを見て何かいけないことをしようとしたんだってことはわかった。だけど、嫌じゃなかったんだよ?」
「嫌じゃなかった・・・?」
「うん。少し怖かったのは言ったとおりだけど、あのまま続けてほしかったなって思ってた。好奇心からだったのかもしれないけど」
恥らうように頬を染める咲。嘘を言っているようには見えなかった。
「それからお姉ちゃんが急に冷たくなって、遠くに行っちゃって。最初は理由がわからなかったけど中学に入って周りが恋人とか作っていくのを見てて、私も恋愛について考えるようになってわかった。お姉ちゃんは私が好きだったんだって」
再びの衝撃的事実だった。私の気持ちに咲が気付いているなんて微塵も考えていなかった。
何故その可能性を考えることさえしなかったのだろう。真っ先に疑うべき理由だというのに。
『結局そう、貴女は弱くて臆病で嘘つきで――』
『本質』の言葉が言葉が蘇る。
そうだ。私は臆病者だ。そうやっていつも自分の感情から目を背けて逃げている。
咲が私の気持ちを知っているのならもうはっきりと咲の想い受け止めるか拒否するかしない限り納得しないだろう。
そうしたらどちらにせよ私は今までのようにはいられなくなる。咲かそれ以外の人達、どちらかと決別しなくてはならない。
だから私はその可能性に目を瞑った。何かを失うことを恐れてこの微妙な関係に逃げていたのだ。
親しい人達を失う覚悟もなく、かといって咲を捨てることも出来ないのに姉妹の情を失わせるように工作までした。
咲の未来のため? 咲の幸せが私の幸せ? 笑わせる。
私が家族や友人、故人まで傷つけて守っていたのは自分自身の幸せなのに。
(なんて卑怯なんだろう・・・)
最低だ、私・・・これで三度繰り返したこの言葉が深く胸に突き刺さった。
「お姉ちゃんは私のことを考えてくれてたんだよね? 血の繋がった姉妹だから恋人になんてなったら世間から疎まれるって」
違う。
「でも側にいたら気持ちが抑えられないから私を突き放した」
そうじゃない。
「苦しい思いさせてごめんねお姉ちゃん」
私は――
『咲の宮永照が姉であるという認識を薄れさせるため』
私は自分のことしか考えていなかったんだ――
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