過去ログ - 千早「Brand New Day」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:02:01.48 ID:yKhvOO5V0
「実はね…… 自分、たーりーに会った事が無いんさー」
「……え?」
我那覇さんの突然の言葉に思わず顔を上げる
「まだ自分が赤ん坊だった頃に死んじゃったらしくて、写真だけでしか知らないんだ」
そう語る彼女の表情は、私にも見た事がないものだった
優しさと温かさのある微笑み、だけど今では無く過去を見詰めている様な、そんな気がする
それに我那覇さんが父親を早くに亡くしていたとは、思いもしなかった
そして漸く、本当に今更、自分が言い放った言葉の本当の意味を、重さを自覚した
「子供の頃は全然寂しさとかは無かったさー、たーりーが居ないのが当たり前だったし
そもそもたーりーという存在自体よく分かってなかったからね」
「……でも、小学校に入った頃からかな…… 自分以外の皆には、たーりーという存在が当たり前にいて
それに、自分もたーりーってどういう存在なのか、何となくだけど分かってきて」
「だから、その頃は、よく泣いてた」
「たーりーに会いたいって、本当に、凄く泣いてた」
「……」
「……」
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