850:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/19(火) 23:07:37.51 ID:8/j3DU9wo
「あ、あの」
「どうした」
「多分もう手を離していただいても大丈夫だと思います」
「あ、悪い」
「・・・・・・いえ」
多分このときはこんなことを口に出す必要はなかったはずなのに。
「お兄さん」
「うん」
「これまでいろいろとごめんなさい」
「何で謝ってるの」
「お兄さんの気持を左右したり変えたりする権利なんかあたしにはないのに」
「・・・・・・ああ」
「妹ちゃんが公園で言ってましたよね。何で自分と自分の兄の気持ばっかり優先するのっ
て」
「言ってたな」
「本当は妹ちゃんの言うとおりなんです。あたし、お兄さんの気持ちとか妹ちゃんの気持
とか全然考えてなかった」
「俺に年上の余裕を見せろって言ったことか」
「はい。すごく勝手なことを言いました」
理解できたのかどうか、お兄さんは黙っていた。
「本当にごめんなさい。あたしのお兄ちゃんに対する感情を解決するために、お兄さんと
妹ちゃんまで巻き込んじゃいました」
「まあ、あまり気にしなくてよくね」
「だって」
「おまえが言ってたことは間違ってないしな。確かに兄妹の恋愛に行き場なんかないし
さ」
「お兄さん・・・・・・」
「それにそもそも妹には全然その気がなかったんだしさ。おまえのおかげで俺も目が覚め
たよ」
「本当にそうなんでしょうか」
「何がだよ」
「昨日の夜、あたし見ちゃいました」
「見たって何を?」
「バーベキューの途中で妹ちゃんがトイレに行くと言っていなくなったんですけど」
「お兄さんにお肉を持って行こうと思って。少し離れたところにいたお兄さんのところま
で行ったら、妹ちゃんがお兄さんにキスしていました」
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