955:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/23(月) 23:46:42.20 ID:9s/yvZpko
この日、あたしが兄友さんに相談したのは、お兄さんと妹ちゃんのことではなかった。
兄と妹を別れさせる会の会合のあと、あたしは兄友さんと一緒にその場を後にした。駅
前で自分で期待していたよりもずいぶんとあっさりと兄友さんはあたしをリリースした。
その直後、あたしの携帯が鳴った。ママからだ。
「ママ?」
「もう学校終った?」
「今日はオープンスクールだったから。午前中で」
「今から会える?」
『別にいいけど。どうしたの』
何か嫌な予感がする。
「じゃあ、駅前のスタバでね」
「わかった」
ママと待ち合わせしたファミレスでママと向かい合って座ると、急に緊張があたしを襲
った。本当はお兄さんと妹ちゃんとのことなんかのんびりと話し合っている場合じゃない
んだ。今さらだけどあたしはそのことを思い出した。愛とか恋とか以前に自分の家庭が危
ういんだった。海辺への旅行やお兄ちゃんに襲われかけたことでいろいろと自分を失って
いたけど、自分にとって今の最大の危機はママの浮気だろう。
こんなことを今まで忘れていた自分に呆れるとともに、正面に座っているママの表情に
びくびくするほどの違和感とストレスを感じる。
「ごめんね突然」
「・・・・・・どうしたの」
ママがこんな時期にあたしを呼び出す理由は一つしかない。あたしは暗い思いでそう考
えながら返事した。
「うん・・・・・・。あ、そうだ。あなたお昼まだでしょ。ドリンクだけじゃなくて何か食べれ
ば」
ママが突然名案を思いついたように言った。あたしは緊張していたのだけど、ママの言
葉にイライラした。
「お腹すいてないし。それよか用事があるんでしょ」
「あ、うん」
「・・・・・・どうしたの」
「あのね。あなたとお兄ちゃんには本当に悪いんだけどね」
ママが俯いて言った。やっぱりその話か。あたしは覚悟を決めた。でも、言い難いのか
ママはなかなか本題に入ろうとしなかった。
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