956:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/23(月) 23:47:14.53 ID:9s/yvZpko
「いったい何? 用事があるなら早く言って」
「うん」
「・・・・・・何か大事な話なんでしょ。わざわざ呼び出したんだし」
あたしは意地悪だ。でも家庭を壊す話をしようとしているママにならこれくらいのこと
はしてもいいだろう。
「そうね。あのね、あたしとパパは離婚するの。それをあなたに言いたかったの」
ストレートにきた。回りくどい言いわけなんか望んでたわけじゃない。
「・・・・・・本気で言ってるの」
「うん、ごめん。だけど本気。もうパパとは一緒に暮らせないから」
「最初から話して。本当にパパのせいなの?」
気のせいかママは少し怯んだようだったけど、見た目は強気のまま話を続けた。
「ママはね。結婚してすぐに後悔したの。何でこんなに理解のない人と結婚したんだろう
って。でも、結婚してすぐにお兄ちゃんが生まれたし、続いてあなたが生まれたんでママ
は育児に必死だったのね。パパなんか仕事ばかりい夢中で全然役に立たなかった。けど、
ママはあなたたちのことで精一杯で、その頃からパパとはもうやっていけないって思って
たけど子どもたちのためなら我慢しようって思ってた」
あたしは最初に覚悟していたほど慌てなかった。というか、目の前にいる女性が何か奇
妙な動物のような気がして、辛いと思うことすらなかった。この人はあたしとお兄ちゃん
の育って来た家庭を全否定しているのだ。
「一度妥協するとどこまでもずるずるとしちゃうのね。出産直後から育児に興味ないパパ
には未練なんかなかったけど、保育園の卒園までとか小学校卒業までとか考えているうち
にここまで来ちゃった」
「・・・・・・ママは何が言いたいの?」
「ずっとつらかったの。もちろん、あなたとお兄ちゃんはあたしの生き甲斐だったけど、
それ以外はつらいことだけだった」
「それで」
「でも、あたしにもようやく本当に信頼できる人が見つかったの。本当に偶然の出会いだ
ったのだけど」
「ようやく浮気相手が見つかったってことね。よかったね」
「そんなこと言わないで。彼は浮気相手なんかじゃない」
「ママはどうしたいの」
「うん。ごめんね。あたしは彼ともう一度人生をやり直したいの。パパとじゃなくて彼と
一緒に」
「ママとパパが喧嘩ばっかりしてたことは知ってるよ。だからといってパパを裏切って浮
気するなんて最低じゃん」
「・・・・・・・あたしだってずいぶん我慢したのよ」
浮気して離婚したい人の言いわけとしてはそれはデフォルトの言葉なのだろう。あたし
はもう冷静になっていたから、そんなママの言葉はスルーした。
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