過去ログ - インデックス「この向日葵を、あなたに」
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[saga]
2013/08/08(木) 12:31:10.89 ID:q8CRr7Mk0
青ピ「……まぁまぁ、あれですわ」
上条「……?」
青ピ「自分で大事に抱えとったつもりが――」
青ピ「実ぁ相手から抱えられてた、なんて関係もあっても良いと思いますわ」
上条「……そうか?」
青ピ「――てな訳でボカぁちょっと野暮用が!」
上条「何?お前もヒグラシがカナカナでお持ち帰りするの?」
青ピ「いや実はな、別の家で男女交えてお喋りするって企画がありまして」
上条「……まぁ、それならいいのか?」
青ピ「今夜は戻りませんよって!まいどっ」
上条「がんばれー。あんま迷惑かけるなよー」
煩い人間ほど居なくなれば寂しい。
一人になって上条はその言葉を噛み締めていた。
網戸になった窓からは秋の虫の声。鈴虫やコオロギが盛んに鳴いている。
確か、と最近読んだ雑誌を思いだしてみれば、外国人にとっては日本の虫の音は騒音でしかないのだそうだ。
翻って自分はどうだろう?
実家はそこそこ田舎の街。学園都市では虫を目にする機会すら無い。
にも関わらず、ごく自然と秋の虫の声が受け入れられるのは、忘れているだけで憶えているのかも知れない。
……世界を救うため――いや、そんな綺麗事じゃない。あの時フィアンマには偉そうな事を散々言ったけれど。
結局の所、上条当麻がロシアまで喧嘩を売りに――買いに、かも知れないが――行ったのは、只一人を解放するためだった。
だがもし――とも考えてしまう。考えてはいけないかもしれないが。
利用されたのがインデックスでなければ?例えば御坂や風斬、アニェーゼ辺りであれば?
おそらくは……行った、のだろう。それは、曲げない。悪い奴が居ればぶん殴る。また悪い事をしようとするのであれば、何回でも。
だが果たして『インデックスが酷い目に遭っていなければ、あそこまで切羽詰まって』いただろうか?
天草式や神裂、キャーリサや学園都市等々、今思えば共に戦ってくれるであろう味方は大勢居たのに。
どうして独りでフィアンマに臨んだのか……?
上条「……分かってるけど」
それは罪悪感『ではない』。勿論正義感『ですらない』。上条はそう自分を分析する。
あれは――そう、タダの口封じがしたかっただけだ。
自分がインテックスを騙し続けている事を。それが誰かに知られぬように。
上条「……」
では何故そうしたかったのか?隠したかったのか?
それを突き詰めていけば、滑稽な答えに辿り着く。
上条「俺は……」
いや止めよう、と上条は頭に浮かんだ答えを振り払った。全ては仮定、そして自分にしか分からない事だ。
一々気に病んでいたとしても、何がどうなる訳でもない。
謝罪すべき相手は、既にこの世には居ないのだから――。
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