6: ◆n9cydZxNSw[saga sage]
2013/08/10(土) 00:48:42.93 ID:OGetzeLF0
美琴にルートを聞いたら、「どこでもいい」との答えが囁くように帰ってきたので、いつも自分が走るコースを歩いて、最後に自販機のある公園に着く道を選んだ。
いつもの喧騒の無い学園都市を、上条は美琴をおぶって歩く。
季節は夏だが、この時間帯に吹く涼しい風が上条は好きだった。
いつになく上機嫌なのか、美琴が耳元で話しかける。
「ねぇ、私重くないわよね?」
「体重は軽いけど愛はかなり重いな」
「もっと重くして、離れられなくしてやるわよ」
「はは。是非ともお願いしますよ」
「……離れないでよ?」
そうだ。依存症なんだ。
上条当麻という人間は、自分を苦しめる病にして、自分を楽にさせる薬でもある。
「病的なまでに愛する」という言葉があるが、今の彼女が文字通りその状態である。
冥土帰しでも直せない、不治の病。
彼女は、治すつもりはないらしいが。
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