過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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301: ◆x/rxoIq2T6[saga]
2013/09/11(水) 23:04:47.41 ID:WyJOtal50


日向「……」

七海「……」

俺達は、今、浴槽に背中合わせで入っている。
そこまで大きくないから、背中がぴったりとくっついてしまって、結構…というかかなり恥ずかしい。
いや、ついさっき裸はバッチリと拝んでしまった訳だけどさ、背中を洗ったりもしたんだけど…それでもやっぱり緊張する。

七海「…ねえ、日向くん」

日向「ど、どうしたっ?」

突然話しかけられて、思わず言葉に詰まってしまった。
びくりと体が揺れ、七海にもそれが伝わってしまう。

七海「手、繋ごうよ」

日向「へ?」

唐突な提案に、思わず気の抜けた言葉を返してしまう。
俺の言葉には何も返さず、強引に七海は俺の手を取った。
ぎゅっと、手を握られる。
すると不思議なことに、あれだけ緊張していた身体がゆっくりと弛緩していった。
体中に温かい何かが満ちていく。

七海「落ち着いた?」

日向「ああ、ありがとう…七海」

背中合わせで、手を繋ぐ。
とても不思議な光景だけれど、今はこれが、俺たちの精一杯。
だけども心は、満たされていた。

日向「七海の手、あったかいな」

七海「多分、お湯の中で手を繋いでいるからだと思うよ?」

日向「そうじゃなくてさ、なんて言うんだろ。気持ちの問題だよ」

七海「…そっか。うん、確かにそうかもしれないね」

七海がくすぐったそうな声を出す。
いつの間にか、こんなにも感情豊かになってたんだな、七海。
昔はあまり感情というものが分からないみたいで、いつもボーっとしていたけれど、今は笑ったり、悲しんだり…自分の気持ちを素直に表現していた。
それが、自分の事のように嬉しくて、握った手に力を込める。

七海「…?どうしたの、日向くん」

日向「なあ、七海…お前は今、幸せか?」

七海「うん、幸せだよ。こうやって日向くんと…ずっと一緒に生きていたい」

その答えを聞いて、俺はたまらなく七海を抱きしめたくなる。
でも、寸前で、堪える。
俺達には…たくさんの時間がある、ゆっくりと、焦らず、進んでいけばいい。

日向「俺も、幸せだよ…」

それからしばらく、俺たちは幸せの余韻を噛み締めながら、背を向けながら手を繋いで、ただじっと、湯船に浸かっていた。


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