過去ログ - ペリーヌ「2人のベッド」【ストパン】
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2013/08/12(月) 21:14:28.50 ID:zyjvQgFk0
個室をもらえることになったのは、少し前のこと。
改装が進んで一部屋空けることができたとおっしゃる中佐に、構わない旨を申し上げると、
「501は501なんだけど、尉官と下士官が相部屋というのも、ちょっとね……」
と、やわらかくたしなめられた。
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2013/08/12(月) 21:15:10.09 ID:zyjvQgFk0
同室の同僚達に伝えると、さも残念そうに眉をハの字にする豆狸と、怒られたような表情を浮かべるリーネさん。
宮藤さんには「清々しますわ」と、リーネさんには「こんな些細なことで移ろう関係ではありませんわ」と言って、荷物を移し替えた。
独りの時間が欲しかったのは正直なところ。
同年代とはいえあの子達は、誰かといる時間と独りでいる時間が、まるで砂糖とコーヒーのように引きたて合うことを、まだ知らないんですのね。
以下略
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2013/08/12(月) 21:16:57.21 ID:zyjvQgFk0
※ストライクウィッチーズのSSです。
※だいたい5000字ぐらいです。
※地の文有りなので苦手な方は……
※エイラとペリーヌがものっそ仲良いです。
以下略
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2013/08/12(月) 21:17:36.29 ID:zyjvQgFk0
「よっ、ペリーヌ。来てやったゾ」
「………」
「おーい、ペリーヌ。起きてんだろ?」
以下略
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2013/08/12(月) 21:18:12.26 ID:zyjvQgFk0
「いやお前、いっつもそれ言うよな。なんか意味あんのか??」
「言外に、今日こそ追い返したいという気持ちが伝わりませんの?」
「まあそうツンツンすんなよ、ツンツン眼鏡」
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2013/08/12(月) 21:18:49.54 ID:zyjvQgFk0
「ツンツン……明日にでも大尉にお話を――」
「オイオイオイ、大尉はマズいだろ……」
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2013/08/12(月) 21:19:56.40 ID:zyjvQgFk0
「もうっ、狭いですわよ! あんまり寄らないでくださいまし」
「いや、こんな広いベッドで、狭いとかあり得ないだろ……」
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2013/08/12(月) 21:22:13.55 ID:zyjvQgFk0
「そう言いながら手をつなぐツンツン眼鏡なんダナ」
「はあ……もう慣れましたわ。それで、今日はどうしたんですの?」
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2013/08/12(月) 21:24:44.86 ID:zyjvQgFk0
「う〜、いったいわたしはどうすればいいんダ〜……」
「はぁもう、そんなに不安がることありませんわ。ただ座りが悪かったんですわよ」
「でもよぉ〜、テーブルで並んでる時も、こっちはちょっとでも近づきたいのに、ガタッてズラされさぁ〜……」
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2013/08/12(月) 21:27:13.67 ID:zyjvQgFk0
「クソ〜、ツンツン眼鏡のくせに〜……」
「はいはい、言ってなさい」
「ぐぬぬ……」
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2013/08/12(月) 21:31:06.33 ID:zyjvQgFk0
「ほーれ、おかえしダー」
「ちょっ、やめっ、もう、癖がつくからやめてくださいまし!」
「やーだよ。それにこの、ちょっと指に残る感じがいいんだって」
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2013/08/12(月) 21:40:38.46 ID:zyjvQgFk0
「はは、そうふくれんなってペリーヌ。風船みたいダゾ」
「むー……」
「……ペリーヌの髪、私は好きだぞ。なんか綺麗で繊細なのに、実はしっかりとしてて、貴族みたいだなって思う」
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2013/08/12(月) 21:41:32.88 ID:zyjvQgFk0
「ほら、なんて顔してんだよ、もう。眼鏡とっちまうぞ、ペリーヌ」
「あ、ちょっと乱暴に……」
「へへっ、ペリーヌ〜♪」
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2013/08/12(月) 21:44:30.21 ID:zyjvQgFk0
「はー、和む〜♪ やっぱ疲れた時はこれに限るな〜」
「人をなんだと思ってますの?」
「んー? ペリーヌは和まないのか〜?」
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2013/08/12(月) 21:46:50.72 ID:zyjvQgFk0
「そうですわね……まあその、相談することでもありませんし」
「なんだよー、冷めたのか?」
「そんなことありませんわ」
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2013/08/12(月) 21:47:45.15 ID:zyjvQgFk0
少し間が空く。
夜の帳がさっと身近になって、風の音が耳に入ってくる。
「ん……」
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2013/08/12(月) 21:50:05.48 ID:zyjvQgFk0
「ペリーヌ……」
「何ですの?」
「……お前、やっぱ胸ちっさいよな」
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2013/08/12(月) 21:52:45.37 ID:zyjvQgFk0
「……ペリーヌ?」
「……何ですの?」
「私さ、不安なんだ……」
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2013/08/12(月) 21:54:10.86 ID:zyjvQgFk0
「なあペリーヌ……」
「なんですの?」
「お前が……サーニャだったらなぁ」
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2013/08/12(月) 21:58:04.98 ID:zyjvQgFk0
そう来ますの。
彼女は部屋に戻らなくてはいけない。
だってサーニャさんが夜間哨戒を終えて、帰ってくるのですから。
あの子が帰ってくる部屋に、彼女はいなくてはならない。
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2013/08/12(月) 21:59:36.62 ID:zyjvQgFk0
目を瞑る。
けれど彼女は帰らない。
彼女は本当に、私が眠らないうちには帰らないのだ。
それが何の主義かは分からないけれど、私は少し嫌がらせをすることにする。
以下略
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