過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】
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87: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/08/13(火) 21:24:10.64 ID:LmU+oIa1o

京太郎「悪い……本当に、なんか色々と……」

もこ「……別に。わたしも、好きでやってるから気にしないで」


 ぱたんと閉じられた弁当箱。
 その中身は、本来収まるべきであった相手の元には届いていない。
 その事は残念だった。申し訳なかった。

 だが、仕方がないのだ。
 淡に、この事を知られてはならない。異常を気付かせてはならない。


 こと、戦いに関してであったら京太郎は打ち明けていただろう。
 一人きりで抱え込む事は危険であると諭されていたし、
 また、今の自分自身、誰かと共闘する事への恐れはなくなっていた。
 正確に言うのなら、怖れはあるが、それ以上に相手への信頼が勝っている。

 だが……これは、戦いについてではない。
 丁度良いたとえを上げるので在れば、ゼロノスカードと同じだ。

 戦いで傷付くか否か、それは確定的な事ではない。
 戦ったものが必ずしも瑕を受けると決まっていない以上、そこには余地が存在する。
 相手の実力ならば大丈夫であるかと見極める。
 そして、その材料の元に“信じる”という判断を下す。
 そんな、余地が存在しているのである。

 だが、京太郎のこの異変と、ゼロノスカードについては違う。

 ゼロノスカードは、変身するたびに確実に消費され、淡についての記憶を消耗する。
 オーズの力は、確実とは言えないが……もこの言葉に従うなら、いずれ破滅を齎す。

 その二つには、結末が用意されているのだ。
 そこに余地はない。都合のいい出来事などない。
 遅いか早いかの違いだけで、最終的にそれが終焉へと収束すると、決まっている。


 故に京太郎は、淡に戦わせたくはなかった。
 京太郎の身に起きた事を知った淡も、同様のことを考えるだろう。

 事実として京太郎は、なるべく淡が変身する事なく過ごせるようにしようと、考え行動していた。
 逆の立場となったら、彼女もそうする。


 それでも彼女は、京太郎に打ち明けた。
 自身が進んだ先には滅びが待っていると、勇気を出して打ち明けたのだ。
 ならば、何故京太郎もそれをしないのか。

 するべきではないか――と考えたが、頭を振った。


 まず第一に、彼女と自分の条件が違うのだ。

 彼女のすべき事は、『ライダーを守る事』。
 未来を崩壊させない為に、ライダーを死なせないようにするのが、彼女に与えられた使命だった。
 淡自身の心情はともかくとして、それが彼女の戦う理由である。

 でもこれは、別に淡でなくても成立する話だ。
 神代小蒔であったり、江口セーラであったり、新子憧であったり、白水哩と鶴田姫子であったり……。
 誰かが、代われる事であった。

 更に言うのであれば、皆が一人一人気を付ければ、達成できる事だ。



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