過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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6: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/14(水) 00:12:49.63 ID:tJOLQydwo
「……」

『……』

竜華は悲しみに顔を歪め、怜はどこか寂しそうに苦笑を作り、必死に手を動かす親友の姿を見守った。

「……触れへんのやな」

暫らくの間そうしていたセーラだったが諦めて近くの椅子に座り、空気を掴むばかりだった両掌を見つめて悔しそうに呟く。

「ごめんなセーラ。うちは触れるんやけど……」

「はっ!?」

竜華の言葉を聞いてセーラは座ったばかりの椅子をけたたましく鳴らして立ち上がった。

「やっぱり清水谷先輩の能力でもあるからなんでしょうかね?」

「さあな。けどうちは触れるし、怜からもうちには触れるみたいなんや」

「そんなんずっこいわ! 竜華だけ触れて見えて声も聞こえるとかおかしいやん!」

「まあまあ江口先輩。しょうがないですやん」

地団太を踏むセーラを泉が宥める。

「うちかて長い付き合いやろうに……怜の薄情もん!」

憤然とどこにいるのかもわからない怜に怒鳴るセーラ。

『心配せんでもセーラのとこには夢枕怜ちゃんが化けて出るから』

「怜、それも笑えへんから」

セーラを脅かすように両手を挙げる怜に竜華は額に手を当てて嘆息した。

「何言ったんですかね?」

「どうせ夢枕に立つとか化けて出るとかそんな辺りやろ」

怜の声が聞こえない三人にはその言葉を推測することしか出来ない。

しかし泉に訊ねられて応えた浩子の推測は的中していた。

『さすが船Q、なんでもわかるなぁ』

眼鏡のフレームを上げる浩子の前で感心したように怜が頷く。

「上等や! 出てきたら一発ドツいて説教してあの世に蹴り飛ばしたるさかい、覚悟しときや!」

『おう、セーラこそうちに地獄に引きづりこまれんように気ぃつけや!』

「……ふふっ」

明後日の方向に啖呵を切るセーラとちょうど真後ろにあたる浩子の前から切り返す怜を見て竜華は口元を緩めていた。

もう二度と帰って来ないと思っていた日常がそこにあったから。


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