過去ログ - 【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」巴「その9ね」
1- 20
687: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2013/09/06(金) 23:23:08.74 ID:DtkKb4Jxo

「(結局…私はちゃんと娘の事を理解できていなかったのか)」

東京の進学校を勧めたのも、それが娘の為になると思ったからだ。
しかし、それは決して学歴というステータスを得る為だけではない。
寮制がしっかりしているそこならばいざ転勤となっても和を連れて行かなくて良いと思ったからである。
そこでならきっと和は友達を作って、普通の子どものように過ごす事が出来る。
そう思ったからこそ、多少、強引ではあれど、彼は和をそこに入れようとしていた。
しかし、それが親のエゴでしかない事を彼が今、ようやく心から理解したのである。

「(和にはもう本当の意味で親など必要ないかもしれないな)」

親よりももっと大事で、そして護ってくれる人が和の周りにはいる。
自分たちにはもう見せなくなったその姿から、それを悟った彼は一人になったリビングで小さくため息を吐いた。
庇護下から巣立とうとしている娘の姿に彼は寂しさを覚えるものの、それを引き止める術は、親にはない。
あったとしても、大人の都合に和を巻き込み続けた自分にそんな資格がない事を彼は良く理解していた。

「(…アイツが帰ってきたら…久しぶりに外食にでも行ってみようか)」

その寂しさを共有出来るたった一人の伴侶。
その姿を脳裏に浮かばせながら、彼はそっと懐から携帯を取り出した。
そのままメールを打つ手は普段と違って、とても鈍い。
まるで久方ぶりにデートを誘うようなそれに、敏腕弁護士と謳われる判断力を発揮出来ないのだ。
結果、たった一つのメールを作るのに数十分ほど悪戦苦闘を繰り返し… ――



―― その間に飛び出していた娘を見送る事も出来なかったのだった。






………



……






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1062.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice