492:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga ]
2014/02/02(日) 02:23:20.70 ID:mZLlSlW30
海の家『わだつみ』まで来れば、とりあえずは安心だろうと思い、上条は一息つけた。
「当麻!あれは一体何なんだ!?」
混乱する刀夜にの質問に上条も美琴も答えられない。
2人も突然のことでよくわかっていないのだ。
「2人ともお疲れさん。後は俺がやっとくぜい」
軽い調子で土御門が入ってきた。
そして突然、プシュッと、スプレーのようなものを吹きかけた。
意識を失った美琴を、土御門が抱き止めると優しく床に寝かせた。
「土、みかど?」
「この場で超電磁砲を最大の脅威だからな。ちょっくら眠ってもらったんだにゃー」
上条は何も言わずに土御門に突っ込む。
が、パンチは軽く避けられ、腹に一撃を食らわされ数歩後ろに下がった。
「感心しないぜい。戦いで一番やっちゃぁいけないのは、何も考えず闇雲に突っ込むことだ」
「な、んで、神、ざきは」
「ねーちんは甘いからにゃー。人を殺す選択肢なんて絶対に選ばない」
が、俺は違うぞと、いつものように二やけながら言い、
「10秒だ。10秒耐えたから褒めてやる」
上条が体制を立て直す前に仕掛けた。
心臓、あばら、肺。
土御門は確実に人間の弱点に打撃を与えていく。
上条のような路地裏のケンカ程度では決して身につかない、人の殺し方を、彼は知ってそれを活かす技術と経験を持っている。
必死に耐えようとしたが、反撃の隙すら与えられず、床に倒れこんだ。
「……8秒か、まあまあだったが、残念だったな」
「もう止めてくれ!」
上条を守るように、刀夜は土御門に立ちはだかった。
「とぉ、さん。やめ、てくれ」
「事情はわからないが、私が原因なんだろう?これ以上息子を巻き込むわけにはいかないさ」
「上条刀夜。俺に勝てるとでも」
「確かに私は酒とタバコで肺はボロボロ、おまけに運動不足だ。でも、私は上条当麻の父親だ!」
嬉しかった。命をかけてそう言ってくれることが。
だから上条は立ち上がれた。
「当麻!」
「あれだけやられたまだ立ち上がれるのか。だけど立っているだけで精一杯だろ?」
「そう、だよ。でもな、俺は上条刀夜の息子だからな!!」
叫べるだけ叫んだ。もう一歩も動かない。
立ち向かおうとするも、体は限界だった。再び床に倒れこむ。
「……さて、準備はこれぐらいでいいか。それではみなさん。タネもシカケもあるマジックをごたんのうあれ。ほんじつのステージはこちら。まずはメンドクセエしたごしらえから」
土御門が懐から取り出したのは拳銃やナイフでなく、何かが入ったフィルムケース。
玄武、白虎と、それらを部屋に四隅に投げた。それらは淡く光を放つ。
「ピストルはかんせいした。つづいてダンガンをそうてんする」
それは明らかに魔術。
だが学園都市の能力開発を受けた人間は魔術を使えないはずだ。
「ダンガンにはとびっきりきょうぼうな、ふざけたぐらいのものを」
土御門は口や目から血を垂れ流している。
「お、まえ、まさか!」
「ピストルにはけっかいを。ダンガンにはシキガミを。トリガーにはテメエのてを……悪かったな、お前らだったら絶対止めると思ったからな。実はあれ、小物1つで別の大規模魔術発動されるようになってたし」
最初から土御門は刀夜を殺す気などなかった。
『御使堕し』の術式を消滅させる為の魔術を阻止させないために上条と美琴の動きを封じた。
「悪いにゃーカミやん。俺って実は、天邪鬼なんだぜい」
視界全体が光に包まれると、次第に暗くなっていった。
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