過去ログ - 響「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」
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2013/08/17(土) 00:04:15.22 ID:he+6kv950

「ひゃっ」

 自分が楽屋のソファで休んでいると、貴音が後ろからやって来て缶ジュースをほっぺに当ててきた。

「お疲れ様でした、響」

「た、貴音……ありがと」

「どうかしましたか、冴えない表情ですよ」

「うん……そうかな?」

 貴音がくれたのは、自分がいつも見栄を張って飲んでいるコーヒー。
 すっかり無糖が好きなんだと勘違いされてるみたいだ。

「悩みでも……?」



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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:04:53.26 ID:he+6kv950

「えっ?」

「今日の響の歌は、少し音楽とずれていました」

以下略



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2013/08/17(土) 00:05:49.46 ID:he+6kv950

「……好きな人が居るんだ」

 目を丸くした貴音は、

以下略



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2013/08/17(土) 00:06:38.35 ID:he+6kv950

「好きってことを伝えたいけど、今の関係が壊れるのは嫌なんだ」

 自分勝手。完璧でもなんでもない自分の考え。
 向こうからしたら、迷惑にもホドがあると思う。
以下略



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2013/08/17(土) 00:07:21.27 ID:he+6kv950

「……」

「どうして、告白する勇気がないのですか?」

以下略



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2013/08/17(土) 00:07:52.60 ID:he+6kv950

「……」

「響、飲まないのですか?」




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2013/08/17(土) 00:08:21.95 ID:he+6kv950

「ど、どうして謝るの」

 貴音は俯いて、




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2013/08/17(土) 00:09:09.58 ID:he+6kv950

 ほどなくして、プロデューサーが楽屋に戻ってきた。

「悪いな、ふたりとも。今日はもう終わりだから家でゆっくり休め」




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2013/08/17(土) 00:09:36.08 ID:he+6kv950

「ねぇ、プロデューサー」

「ん?」




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2013/08/17(土) 00:10:41.46 ID:he+6kv950

「いつもありがとうございます、あなた様」

「おう。その分ステージで頑張れよ。実際に結果を出すのはアイドルのみんなだから」




11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:11:07.92 ID:he+6kv950

 車に乗り込む。
 「危ないから」って、プロデューサーはたとえ1人でもアイドルを助手席に乗せることはない。

 いつものように、自分は運転席のうしろ。貴音はその隣に座っている。



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2013/08/17(土) 00:11:37.73 ID:he+6kv950

 765プロ――自分の所属する芸能事務所――の事務所は、そこそこ都会にあって、そこそこ田舎にある。
 テレビ局から近いわけだけれど、周りに高層ビルやらカフェやら、洒落たものはない。

 おばちゃんがやっているクリーニング店やら、焼き魚定食のおいしい居酒屋とか。



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2013/08/17(土) 00:12:16.28 ID:he+6kv950

 帰ってくると、まず事務員のぴよ子が出迎えてくれた。
 次に、アイドル仲間で事務所に残っていた春香と千早。

「もう夜遅いのに、大丈夫なのか?」



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:12:47.72 ID:he+6kv950

「響ちゃん、貴音ちゃん、お疲れ様」

 ことん、と湯のみ。
 ぴよ子がお茶を出してくれた。



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:13:15.86 ID:he+6kv950

「帰っちゃうのか?」

「うん。じゃあね響ちゃん、貴音さん」




16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:14:00.41 ID:he+6kv950

「どうしました?」

「お仕事でいろいろなファイルを一つの表にまとめていたんだけど、それが終わったのよ!」




17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/17(土) 00:14:04.31 ID:DaXr6H/to
サカナクションだ


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:14:42.60 ID:he+6kv950

「響」

 刹那、貴音が自分の名前を呼ぶ。




19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:15:10.98 ID:he+6kv950

 それはきっと、貴音なりのエールだったんだと思った。
 自分はそう受け取った。

「貴音」



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:15:39.40 ID:he+6kv950

 律子は「直帰」だった。要は、ここには来ない。
 結局22時になり、自分は帰ることになった。

「貴音、帰らないのか?」



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga !nasu_res]
2013/08/17(土) 00:16:05.77 ID:he+6kv950

 月が、きれいだ。
 事務所のビルの居酒屋が休業していて看板が暗いからかなんなのか、今日は月がよく見えた。

「貴音みたいだな」



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